事務局 忠夫
すでにお知らせしたとおり、第100回グループワークは申込み者がゼロでしたので中止としました。また、サークル「囲炉裏」のスタッフブログを8月からお休みしていました。いつもですと、グループワークで感じたことを出発点に身のまわりで起こったことをスタッフブログに書いているのですが、今回は、グループワークとは関係なく、“七五三”で感じたことを書いてみたいと思います。
今回も、これまでに何回もスタッフブログに登場したA女に関することです。彼女は、この12月に2歳7ヶ月になり、コトバの数が増えて、単語と単語をつないで一つの文章にすることもできるようになっています。もちろん、思っていることのほんの一部しかコトバにできていないのでしょうが。
覚えたコトバを使って、いろいろの理屈を申し立てて自分の意見を言うようになりました。第一反抗期に入っているのでしょう。
第一反抗期とは、幼児から言えば「自分の思っていることを表情や動作・音声だけでなく、コトバでも表現できるようになる」時期、周りのオトナから言えば「コトバをとおして、幼児の心のなかを垣間見ることができるようになる」時期ということになりそうです。
A女は、数え年3歳ですから“七五三”適齢期です。“七五三”に関する自分の思いを、覚えたてのコトバを使って表現してくれます。おもに、母親の話をもとに、“七五三”に対するA女の思いを書いてみたいと思います。
11月になり、A女は両親に連れられて大きな神社のそばにある貸衣装店へ行きました。“七五三”のときに着る衣装を選ぶためです。そこの店員さんが、A女の肩幅を測るために、後ろに回りメジャーをA女の肩に当てようとすると、それを振り払って肩幅を測らせなかったそうです。腕の長さについても同じ。そして、大声で泣き出したとのこと。
この「事件」を聴いて、私は「パーソナルスペース」という言葉を思い出しました。「パーソナルスペース」とは、心理学の言葉で「他人に近づかれると不快に感じる空間(Wikipediaによる)」のことです。パーソナルスペースは、知り合ったばかりの人に対しては広く、家族や親しい友人に対しては狭くなります。A女の場合、母親とのパーソナルスペースはゼロ(母子一体)です。しかし、初対面の店員さんとのパーソナルスペースはかなり広く、その広いパーソナルスペースの中に店員さんが入ってきたので、A女はパニックを起こしたのでしょう。
この「事件」をきっかけに「(“七五三”用の衣装を)着ません」「(“七五三”を)しません」というコトバが、A女の口から連発されるようになりました。A女の“七五三”嫌悪が始まったのです。
これまでも、A女は外歩きのとき近所の人が近づいて話しかけたりすると、大声でワーンと泣いて、近所の人を撃退していました。コロナ禍のもと、生まれてからずーっと外出する機会が少なかったため、A女にとってパーソナルスペースが狭いのは家族だけだったのです。また、A女はパーソナルスペース内に他人が入りこむことに対して、とても感受性が高かったように思います。
A女は今年の4月から保育園に通うようになって、パーソナルスペースの狭い人が増えてきました(先生や同じグループの園児など)。でも、貸衣装店における「事件」からみると、初対面の人に対するA女のパーソナルスペースの広さや感受性は、以前と変わらないようです。A女の成長とともに、初対面の人に対するパーソナルスペースの広さや感受性が、どのように変化していくのでしょう。A女と交わりながらみていきたいと思います。